■シュタイナー『イエスを語る』 (シュタイナーコレクション5 高橋巌訳/筑摩書房 2004.2.10発行) シュタイナーのマタイ福音書講義の訳が出た。 これでシュタイナーの四福音書についての講義が、 マルコ福音書、ルカ福音書、ヨハネ福音書に続いてすべて訳出されたことになる。 シュタイナーのキリスト関連の講義で 上記の四福音書以外では、すでに次のものが訳されている。 ●神秘的事実としてのキリスト教と古代の秘儀 ●創世記の秘密 ●ヨハネ黙示録 ●第五福音書 ●イエスからキリストへ ●仏陀からキリストへ(西川隆範編訳/水声社) 関連講義として、toposのHPに登録してある次のものもある(yucca訳)。 ●バガヴァット・ギーターとパウロ書簡 ●シュタイナー「キリスト衝動の告知者としてのノヴァーリス」 1912年12月29日、ケルンでの講義(GA143所収) ●シュタイナー「四つの福音書のキリスト叙述における四つの異なった視点」 こうして訳出されたものにひととおり目をとおせば、 シュタイナーの意図したキリスト理解の概略は得られるのではないだろうか。 今、『イエスを語る』を読み進めているところだが、 以前、yuccaがこのマタイ福音書講義を読んでいるときに、 その内容をいくつか聞いていたりしたのだけれど、 やはりこうして訳出されたものを実際に読んでいくと その内容の深みに魂がふるえてくるほどである。 さて、本書には、マタイ福音書講義のほかに、 「キリストと二十世紀」という1912年1月25日の講義も 第二部としておさめられている。 また、解説として、高橋巌さんの『千年期末の神秘学』所収の 「キリスト衝動とシャマニズム」の修正バージョンも収められている。 高橋巌さんのシャーマニズムについてのとらえ方には 若干保留したいところもあったりするし、 以前から物議をかもしているたりする「ツラン」についても マタイ福音書講義のなかにもでてきたりしているので、 そこらへんのことについて、それぞれが理解を進めていくための とてもいい材料としても本書の刊行はとても有意義だと思う。 ここ数日間はとりわけ本書の内容が ずっと心のなかを占め続けることになりそうである。 読後、その内容については随時書いてみたいと思っている。 |