■ダスカロス『エソテリック・プラクティス』 (ハラランボス&真理子・ランバート監修 須々木光誦訳 ナチュラルスピリット/2003.12.12発行) トポスHPでも、神秘学ノート「ダスカロスシリーズ」ということで、 以下の3冊についてそれぞれノートしたことがある。 ■キリアコス・C・マルキデス 「メッセンジャー/ストロヴォロスの賢者への道」 (鈴木真佐子訳/太陽出版1999.4.18発行) ■キリアコス・C・マルキデス 「メッセンジャー第II集 太陽の秘儀/偉大なるヒーラー<神の癒し>」 (鈴木真佐子訳/太陽出版/1999.11.18発行) ■キリアコス・C・マルキデス 「メッセンジャー第III集 メッセンジャー/永遠の炎」 (鈴木真佐子訳/太陽出版/2001.8.20発行) そういえば、シュタイナー以外の神秘学では ぼくにしては比較的たくさんノートを書いたものだとあらためて思う。 最初の「メッセンジャー」がでるまで ぼくはダスカロスという人のことをまったく知らなかったのだけれど、 それ以降、そのダスカロスのことがとても気になるようになった。 本書はそのダスカロスの教えた霊的な知識及びエクササイズについて わかりやすくコンパクトにまとめられたものだけれど、 はじめて、その顔写真を見ることができた。 本書に紹介されているダスカロスのホームページとかをみれば 顔写真などを見ることもできるのだろうけれど なぜかそれを見てみる気にはなれなかったりもするのはなぜだろうか。 それはともかく、ぼくがダスカロスについてとても近しく思えるのは、 ひとつにはそれがシュタイナーの示唆しているキリスト認識を ある意味で補完してくれるものかもしれないということと もうひとつには、以下のようなダスカロスの姿勢のためであるようだ。 ダスカロスは生前から、教えを宗教にすること、サークルを組織化 することは決して認めませんでした。それはダスカロスが「無批判 に信仰する者より、理性的な無神論者のほうが神に近い」と考え、 また組織化することによって、教えが欲望や権威主義といった人間 のエゴイズムに利用されることを危惧したからでしょう。 (P5 「日本語版刊行にあたって」より) シュタイナーも、人智学協会が陥ってしまっていた党派的なエゴイズム故に、 人智学協会を去ることさえ考えていたようだが、 シュタイナーの生前でさえもそうであったように、 その死後そうならないということはやはり困難なことだったようである。 実際、死後すぐにマリー・シュタイナーやイタヴェークマンといった もっとも近しい人たちが協会から放逐されてしまったりもした。 晩年の労働者講義などでは、協会の理事たちは聴講さえ許されず むしろ聴講を許されていたのはそうした放逐された人たちだったのである。 |