ちょっと遠出して丸節竹を採りに行く

1月12日(月)kim君と竹取りに行って来ました。
今日はちょっと遠出して丸節竹を採りに行く算段。朝5時30分にkim君が迎えに来てくれ、さあ出発です。私にとっては竹取りも釣りと同様にワクワクするイベントなんです。まるで宝探しのようなもので、良い竹見つけることを思い描いて胸が高鳴ってしまいます。

今日は祝日ですが、高速道路はいつもより車が多いような気がします。お仕事の人が多いのかな?途中、夜明け前のSAで朝食を済まし、さらに走り続けます。目的のICで降り、先日kim君が通りがかりに発見したという新ポイントに向かいますが、道に迷って辿り着けず。改めて昔から実績のある場所に向けて20分程車を走らせます。

7時50分、現場到着。去年来た時とほぼ同じ場所に駐車しました。何かあったら携帯電話で連絡することにし、早速二人は別かれて捜索を開始します。私は去年見つけた布袋竹の藪が気になり様子を見に行きますが、使える竹は一本も発見できず、方針を元に戻して丸節竹の藪を探します。そこいら中、丸節竹は無尽蔵に生えていますが、なかなか上物が多い藪が見つかりません。

【上物とは】
●すべての節から枝が生えていること。皮を被った新子(去年の夏に生えた新しい竹)は肉質が柔らかく、枝も生え揃っていないので竿には向きません。なるべく2年物以上を探します。
●ねじれが無いこと。また、曲がり癖がなるべく少なく断面が真円であること。曲がり癖が強いと火を入れて矯めた時に断面が楕円形になってしまいます。また、漆塗りの工程で室の高温多湿により元の癖が出てしまいます。
●節間が詰んでおり、節の出っ張りが少ないこと。節の出っ張りが大きく、枝の付け根が大きくえぐれているものは通称「おかめ」と言って竿の素材としては敬遠されます。
●逆に節の出っ張りが少なく平らな竹は上物とされますが、このような竹に限って節間に段が付いているものが多く、これも製作の際に支障があるので避けます。
●なるべく日当たりの良い所で育ったもので、カビや病気で表面が凸凹になっておらず、皮張りが良いこと。

上記以外にも対象とする竿の種類によって色々目の付け所があるのですが、生息条件や遺伝子の関係か、良い竹が多い藪もあれば、何千本あっても全滅の藪など、良い藪を探すのに一苦労なんです。一箇所良い藪が見つかれば、そこでかなりの数が採れることがしばしばです。宝の山を見つけられるか否かですね。


左:丸節竹の藪・・・これだけ生えてても切るのは少ない、右:なかなか良い竹、ちょっと若いかな〜。

歩いてはポツポツ切りながら探し続けます。丸節竹は大から小まで色々なサイズが群生していますが、背丈より低くテーパーの少ない細めの竹はシロギス竿などに向きます。また、カワハギ竿用でだいたい高さ2、3mの竹、もっと急テーパーの竹が欲しいときは、元径3cmくらいで高さ5mくらいの大竹を切り、上部だけ持ち帰ることもあります。丸節竹の採取はナタで切るだけなので、手元用の根っこを掘るよりは格段簡単な作業で、その気になればいくらでも持って帰えれますが、後が大変なので選定基準はあくまでも厳しく行きます。

途中、矢竹の藪があったので、印籠継ぎの芯や口栓の素材として採取しておきます。この竹は何本あっても困ることは無く重宝なので、手当たり次第に20本程度切りました。但し、印籠継ぎの芯に使用する場合は2年、できれば3年物(古竹と言います)の硬くて断面が丸く節間の伸びた竹を探します。もちろん初めから癖の強いものは敬遠します。


左:矢竹の藪で印籠芯の素材を切る、右:逆光が眩しい・・・皮被っているヤツは新子なので使えません。

なかなか丸節竹の良い藪が見つからず、もう10時を過ぎてしまいました。いちかばちかちょっと藪の奥に侵入して捜索してみることに。節間の詰まった竹はあるのですが、皮を被っていて若すぎたり、先の方が折れていたりで、なかなか切りたくなる竹が出てきません。どんどん奥に侵入して行きます。アッ痛た!薔薇の棘がズボンの上から刺さって痛いぞ!胸の丈まで伸びた枯れ草や弦を掻き分けてどんどん進んで行きますが、全然いい竹無いな〜。奥をぐるっと回って同じ道に出るはずが、どんどん深みに嵌ってだんだん歩行困難に。首に弦が巻き付いて痛いではないか!ヤバイ!方向分からなくなった!どっちを見ても同じ景色じゃないの。冷静さを取り戻すために煙草を一服。下手に進むより戻った方が良さそうだな〜。進んできたと思われる方向に大回りして引き返す。掻き分け掻き分け10分程かけてようやく見たことのある景色が表れ胸を撫で下ろす。時すでに11時15分。やっぱりハンディGPS欲しいな〜。

汗だくになった体を冷ますかのように呆然と北風を受けながら歩いていると、kim君から携帯電話が鳴る。「どお〜、今採ったとこ、けっこうまともだったよ〜」との連絡。車の所に居ると言うので、とりあえず戻ってみることに。そしてkim君が採ってきた竹を見ると、何よ〜いいの採れてんじゃん!今日はお昼までの予定なので、その藪に案内してもらって最後を締めよう。車から3分程離れたその藪は、規模は小さいですが良い竹あるじゃん!ヨシ!切りまくるぞ〜。探せば出るわ出るわで夢中になって切りまくって約10本。kim君も更に数本。ある所にはあるね〜。さっき近くまで来たんだけどな〜。


左:ナタで竹に傷を付けないように枝を払う、右:竹を紐で縛って撤収の準備。

お昼を過ぎたところで今日の捜索は終了。枝を払った竹は一箇所にまとめて紐で縛ります。竹の束を車に積み込みいざ撤収。お疲れさまでした〜。帰りは「道の駅」に寄って昼飯食いがてらお土産でも買って帰りましょう。


本日の切果、カワハギ竿やシロギス竿の胴に使えそうな丸節竹(全竹用や極上物も出たよ〜)が約20本、
その他印籠継ぎの芯や口栓に使用する矢竹が多数。


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