満船・速潮・PEブチ切れ最低タチウオ釣行

10月28日(土)、久里浜港の平作丸(へいさくまる)からタチウオに行ってきた。
東京湾では毎年7月頃になると大貫〜金谷沖で釣れ始めるタチウオ。初期の浅場はルアー釣りが有利だが、この時期、下浦沖の深場に落ちれば餌釣りの好シーズン。秋口に一旦釣れなくなるのも恒例で、その間出船を中断する船宿も多いが、秋の深まりとともに再び模様が出始めると乗合船を再開する船宿が増えてきた。餌釣り派の私にとってはちょうど今が釣り頃といった感じである。思い起こせば去年の11月3日、行きつけの久比里巳之助丸から単独出撃で好釣果を得たのだが、残念ながら今年はタチウオ乗合を出していない。最近はアマダイも平日出船だったりで、久比里に出向く機会もすっかり減少傾向になってしまった。今日もS大さんとご一緒させて頂くことになったので、交通も分かり易く釣り場も近い船宿ということで久里浜港の平作丸から乗ってみることにした。昨日は定休日、一昨日の木曜日は7〜33本と比較的好釣果。この調子だと週末は混みそうな感じなので、自宅を4時30分に出発して現場に向った。5時20分頃に到着するとけっこうな賑わいだったので、直感的にヤバイと感じた。受付を済まし船に乗り込むとまだ暗い船上。案の定、四隅は2、3人の先客でやっぱりだな〜。竿が立てられておらずクーラーだけ置いてあるから、前日から取っているか、早く来て車で仮眠していると思われる。ここもご多分に漏れず場所取り激戦区なのであった。


朝5時45分、日の出がだいぶ遅くなりました。片舷13名づつの大混雑。

とりあえず左舷ミヨシ4番に私、S大さんが5番に荷物を下ろした。それでも船が大きいから片舷10名程度なら釣りになりそう。私の経験則では、この手の釣りだと定員の半分を超えたら四隅以外はまともな釣りにならないことが多い。定員40名なので、半分の20名が限度か?見た感じやっぱりそんなところでしょう。出船1時間前で左右10名づつとなり、この辺が常識的には限界か。でもまだ1時間あるから来ますよ。案の定、その後6名増えて左右13名づつでもう飽和状態。隣のお客さんと顔を見合わせ苦笑。今日は仕立で一隻使うので2杯出しも無いらしい。あ〜あ、今日も終わったかな。(笑)これで潮型がおかしくなったり、サバが回ってきたら・・・想像したくない光景だ。乗船券と引き換えに餌のサバタンが支給された。初めての船宿だと餌が不安なので、今日は自前でサバタン切ってきた。見ると支給餌も十分使える品質だし、追加も頂けるので、次回来る時は自前餌は不要である。7時10分に出船、久里浜港でスパンカを上げてから沖に出る。航行中、船長は前日の状況や今日の予想、基本的な釣り方などをマイクで丁寧に解説してくださった。オモリは100号統一、水中ランプ禁止などの注意もあった。7時30分、下浦沖でスローダウン、旋回して反応探しに入る。5分後、ブレーキが掛かって開始のアナウンス。北東の微風で晴れ、海上はベタ凪、潮色は澄み。最初は水深123mから。

船長の話ではオモリが底に着いたら仕掛けの長さ分巻き上げて、底から30〜40m上までを探るようにとのこと。個人的にはタチウオ釣りでオモリをイチイチ底まで降ろしたくないので、道糸のマーカーで110m出たところでクラッチを返し、両隣が着底する一歩お先に誘いに入った。そんな抜け駆け作戦もまったく不発。一流し約5分、船中ノーヒットで潮回り。二流し目も同様、生体反応まったく無し。湾奥の船がまだ到着前なので僚船はまだ少ない。この時間から食ってくれれば有利なのだが、なかなか世の中上手く行かないものだ。小潮の初日で満潮が9時45分頃、干潮が13時45分頃と潮止まりを2回挟むが、この時間、潮はまったく動かず池の如し。この人数でお祭りしないようじゃ、魚の活性も上がらないか・・・しばらくは反応探している時間の方が圧倒的に長い状態が続く。S大さんは周りでタチウオ釣れ出すまで地底でおかず狙いとのことで、18cmくらいのノドグロ(ユメカサゴ)をゲット。流石、外道王!やることが違う!(笑)8時50分からの流しは水深135m。110mで止めて誘いに入ると、本日初の生体反応。食い込み悪くモタレたり引っ張られたりでなかなか針に掛けられない。そのうち右舷ミヨシで1本上がった。やっぱり居るよね。餌着け直して再投入すると100m付近でアタリが出て、今度はガッツリ針掛かり。お祭りすると嫌なので速めに巻き取ったが、最後の最後、水面間近でS大さんの道糸を引っ掛けた。ヤベ〜!

タチウオの歯で道糸が切れないように絡んだ道糸とハリスを一緒に抜き上げて魚を先に外す。お祭り解いてから魚を締めてクーラーへ。するとS大さんからアァ〜!と脱力感を伴う声。釣りを再開したら、そのままPE110mサヨナラ〜!うっそ〜?気付かない内に歯が当たっていたようで、本当に申し訳ありません!シマノの600番だったから、4号200mしか巻いてない。さあどうしましょう?なんとお詫びしてよいやら。残り90mじゃタナまで降りないし、私のPEを50mくらい繋ごうかとも思ったけど、90mでもアタリが出るというので、とりあえず様子を見て頂くことに。潮は動き出したけど上っかわだけで、投入した瞬間、凄い速さで道糸がトモ方向にぶっ飛ぶ。運良くタナまで降りれば釣りができるが、降りないままお祭りで回収もしょっちゅう。まともに降りればすぐにアタリが出る時合だけにイライラは隠せない。やっとの思いで魚掛けても、今度は巻き上げでお祭りの心配ばかり。結局、1時間の時合に5本掛けて1本はハリス切れ、取ったのたった4本。殆どお祭り解いているか解いてもらうのを待っている時間。普通にできていれば余裕でツ抜けしていたことだろう。ダメだよこんなんじゃ!だんだん戦意喪失、どうでもよくなってきた。道具片付けて寝ちゃおうかと思ったが、まだ10時だしな〜。(笑)ヤバイ!S大さんの左隣のお客さんが魚掛けて巻いているのをよく見ないで投入しちゃったよ。嫌な予感がした次の瞬間、私の竿にオモリの感触は無かった。S大さんに続き私も75mブッチ切れ〜!


ちょっと硬めのファイアバロン120−210がお気に入り。今日は船団がまとまらない時間が殆ど。

10時を回り、未だ速潮は収まらない。収まるどころかサバが回ってきたから更に酷い状況。いつしか近隣ではサバの猛攻。どうやったらそんなにサバ釣れるのかな?S大さんは道糸が足りないから仕方ないでしょう、マジで私のPE結びましょうか?私はまだ225m残ってますから。(笑)ちなみに今日の私の仕掛けは、ハリス6号3m強(両手広げて2ヒロ)の1本針(孫針仕様)で開始したが、お祭りが多いので、この時間はハリス7号2mの1本針(単針)とした。針のチモトには保護用のゴムチューブを4cm程度装着しているが夜光色は避ける。近隣の数名の内、よく見ているとサバばかり掛けるお客さんは決まっていて、その度に3、4人巻き込んでの騒動。これだけサバでお祭りしてるっていうのにショッキングピンクのタコベイトは着けたままだし、サバ掛けても本命と同じように大事にやり取りするから、最小限に抑えられる被害も拡大するというもの。混雑した船上ではお互い様、こちらが迷惑を掛けることもよくあるし、ここは我慢するしかない。しかし自慢じゃないけど私は一回もサバ掛けてないですよ。すると近所のお客さんがまたサバを掛けた!巻き上げに入ると私の道糸がポワ〜ン。しかも他に2、3人絡んじゃったようで、80mくらいから他の仕掛けが引っ掛かって巻けなくなった。そのうち、そのお客さんが取り込んだのは案の定サバのダブル。一緒に私のテンビンが回収されたのはいいが、こっちの道糸はまだ80m出たままだ。これってどうすりゃいいの!この地獄絵図、記念写真撮っておこうかと思ったけどやめた。(笑)

気を失いそうになったけど意識を取り戻し、巻けるだけ巻きながら順番に誰のだか分からない仕掛けを解く。申告しない人の仕掛けは切っちゃいますよ!あと32mまで来たところ、PEが結び目になっちゃった。これ解くのは至難の業、もういいや、どうせ巻き直すから切っちまえ!結局また32m落として合計107mの損失。この切ったPE、20mくらいならすぐ解けるからそちらに繋ぎます?とお渡しすると、真面目に解きに掛かったS大さん。糸の端から100円ライターに巻き付けながらお祭り解きに集中。こっちは釣り再開、たまにアタリは出るけど全然集中してないし、食い込み渋く掛けられない。たまに底まで落として水深を確認すると深いところで156mくらい。ただ、アタリが出るのは水深に関係無く110〜90mの間が中心。11時30分、剣崎沖に移動。松輪瀬のマダイ船団が見えるがその北側の落ち込み。あっちが水深40m程度でこっちが130mだから随分急な坂になっているのが分かる。何回か道具入れてみたけど上っかわぶっ飛びで下浦沖より強烈な潮。しかも左舷は道糸が船下に入ってしまい、こんな状況じゃやるだけ無駄。しばし道具上げて休憩!右舷は払い出しで何とか釣りになるみたいで、ミヨシ寄りの常連さんがポツンポツンと上げている。12時20分、S大さん復活。丸々2時間糸解いてたでしょ!そう言うと、その間1本も釣ってないでしょ?と返された。確かにそうだ。(笑)集中力と忍耐力の甲斐あって、やっとタナまで届きますね!

僚船を見ると本船に続いて一郎丸、吉久、吉野屋がけっこうな乗客数。中山丸、渡辺、つり幸、八景鴨下丸が何故かガラガラ。つり幸はあのデカイ船に6人くらいしか乗ってない。随分と差があるものだな〜。未だ道具下ろす気がせず自主休憩中の12時30分、潮が速いので移動しますとのことで、また下浦沖に移動。私も釣りを再開すると14時前から生体反応が出始めた。これは本物の触りだよ。水深は140m超だけど、当たるのはやはり110m前後。潮はこっちの方が多少マシだけど速いと言えば速い。そうこうするうちに右舷で急にバタバタ上がり始めた。おっかしいな〜居るのは分かるけどそこまで活性あるとは思えないけど・・・これは腕が違うか?タナが違うかどっちかだな。14時30分を回って、タナ107mでようやく私にも合わせられるようなアタリでガツン!なんと10時前に釣って以来、4時間半振りの5本目。続いてすぐにアタリが出たが掛からず、100mからスルスルっと120mまで落として行く途中でガクン!と糸がフケた。これはラッキー!落とし込みでヒットして6本目。最後の最後に食い出し、船長は14時50分まで延長してくださったが、私はあれ以降アタリ出せずのまま納竿。S大さんはお気の毒に本命型見ずのまま、ノドグロ1尾とサバ沢山。PE110m奉納が痛かった。こういう日に限って予備リール持って来てないんですよね。

後片付け中に隣の鴨下丸から船長のアナウンスが響いてきた。あちらは10〜33本だって!やっぱそーでしょ!潮は速かったけど、一日ポツポツあったし、朝9時からの1時間と最後14時以降は悪い感じじゃなかったもん。トモの方は見えなかったけど、本船では突き出し先端の常連さん2名と右舷ミヨシ2番の常連さんが20本前後は釣られたのかな〜。たぶん、まともにやれれば、この私でも20〜30本コースだったことでしょう。今日は釣り物選択はともかく、その後が裏目に出ちゃいました。思わぬ満船と速潮、そしてサバの猛攻で大苦戦。そもそも我々が行ったことない船宿に急に行ったりするから余計に混むんでしょ!(笑)普段の行いは悪くないはずなんだけどな〜。(笑)今日は2人合わせてテンビンとオモリ2組、PE延べ217mの奉納。帰ったらPE100m残して200mだけ巻き直すか・・・まあそれはともかく、それ以上にすり減らした神経は一体何メートルでしょうか?この図々しい私が途中で道具を入れる気がしなくなった程ですから分かる人は分かるでしょ。この劣悪な状況でタチウオは6本釣れ、おかず程度にはなりましたが、とてもじゃないけど釣りを楽しんだ気分になれない一日でございました。S大さんもホントお疲れ様でした。さ〜て、来週は何やろうかな?毎週こんな釣りやってたら、そのうちストレスで死んでしまいそうだ。(笑)


本日の釣果、タチウオ 6本(79〜101cm)。周りはサバの猛攻でしたが私はゼロ。

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