《結詞》
2014.8.31

遠い道か
近道か
地図はない

はじまりと終わりは
いつのまにか
つながっている

夢なのか
現なのかも
夢のまた夢

したいことをする
だれもしてなくても
気にしない

さかさまのこともしない
心の生んだ熱を
ひとり育てる

ひとり旅でも
だれと旅していても
歩くのはただひとり

かたちにならなくても
役に立たなくても
かまわない

思いのままに
けれど
勇気だけはなくさないで

意地なんかはらない
だれも見ようともしないものを見る
だれも聴こうともしないものを聴く

素直でいる
したくないことはしない
じぶんのなかのみんなに耳をひらく

偶然なんか信じない
偶然にもまかせない
心の疼きに素直になって

むりにつながらない
友だちたくさんつくらない
ほんとうはつながっているはずだから

死を恐れない
生きることも恐れない
時のなかを自由に飛ぼうとする

力には負けない
愛には両手を広げ
魂にいつも花を捧げる

名なき者として
名なき者を愛し
名なき者のなかで

遠い道か
近道か
地図はない

はじまりと終わりは
いつのまにか
つながっている


☆風遊戯《結詞》ノート

◎神秘学ポエジー第3集(今回も全25作)の最後になります。第3集は「永遠の少年」ではじめました。そのはじめには「どんなことも はじめから/ひとつひとつ 新しいまま」と書きました。それを受けて。

◎「結詞」というのは、井上陽水のアルバム『招待状のないショー』(1976)に収められた「枕詞」「結詞」という作品からのタイトル。こんなふうにこの曲ははじまる「浅き夢 淡き恋 遠き道 青き空 今日をかけめぐるも 立ち止るも 青き青き空の下の出来事 ・・・」。
You Tubeから
http://www.youtube.com/watch?v=eiNUD5Wcfo0

◎今日は8月の最後の日ということで、今日の風遊戯のBGMの2曲目として。まだ夏は終わっていないけれど、ついでにぼくの好きな曲、矢野顕子の『夏が終る』。これは小室等作曲・谷川俊太郎作詞で、最初、小室等のアルバム『いま生きているということ』に収められていて、そのとき矢野顕子がピアノを弾いていた。矢野顕子のピアノ弾き語りのカヴァー・アルバム『SUPER FOLK SONG』にも収められている。
http://www.youtube.com/watch?v=fcafZik-L1Y