風のDiary
2010.12.10.Fri.
村上ソングズ

以前単行本ででていたときにはなんだか大げさな感じがして
立ち読みする程度にしていたのだけれど、
新書サイズ(村上春樹 翻訳ライブラリー)になったのもあって
『村上ソングズ』(中央公論新社)を楽しんでいる。

村上春樹の好きな曲の原詩(英語)とその翻訳、
そしてそれについてのエッセイという内容。

見てみると、ほとんど知らずにいる曲ばかりである。
そういえば、最初に収められている
ビーチボーイズの『神さましか知らない(God Only Knows)』も
ほとんど記憶になかったりする。

そのために、実際に聴いてみたいと思い、
収められている曲)(29曲)をあちこちで探すのだけれど、
いまのところ10曲ほどしか聴けていない。
残念なところもあるけれど、
ある意味、いまどき、聴いてみたいと思えば、
すぐにそのデータなりが手に入るというのよりは
ずっと楽しめるようにも感じている。
いまでは、iTunesで探してダウンロードしたり
アマゾンで注文したりで、すぐに手に入りすぎるから・・・。

そういえば、先日、ずっと久々聴きたいと思っていた
小林啓子の歌う『比叡おろし』をYouTubeで見つけたので
その音声部分だけを取り出してiPodに入れておいたのだけれど、
そんなことがごくごく気軽にできてしまうわけである。
(『比叡おろし』は松岡正剛が失恋の思いを託してつくった(作詞・作曲)、らしい曲)

この『村上ソングズ』でうれしかったのは、
ぼくのお気に入りの
アンネ・ソフィー・フォン・オッターとエルヴィス・コステロのアルバム
『フォン・オッター・ミーツ・コステロ』から
バート・バカラック作曲・コステロ作詞の『この家はからっぽだ』が
紹介されていたことだ。
バート・バカラックというのもちょっとうれしい。

村上春樹はそのエッセイでこのアルバムについて
「聴けば聴くほど心に残る、まるで上質なするめのようなアルバムである」
と書いているが、その通り。
ぼくはいまでもときおり、そのするめをとりだして、
口のなかで延々とかんでいたりもするくらいである。
ちなみにこのアルバムは、10年近くまえの2001年にリリースされている。