2013.2.15memo

☆花崗岩メモ

最近、ゲーテの『地質学論集 鉱物篇』を少しずつ拾い読みしています。(今までずっと気になりながら、ほかの自然学的な著作集同様、積んどく状態^^:)「花崗岩について」Ueber den Granit という小論も含まれていますが、シュタイナーがこの「花崗岩について」に触れている連続講義(Mysteriegestaltungen GA232 『秘儀の歴史』西川隆範訳 国書刊行会)がとても印象に残っています。

時々野鳥観察に行く公園(玉野市)でも、花崗岩の露出した斜面が目につきます。中国地方の瀬戸内海沿岸に多く分布するのは、広島型花崗岩だそうですが、瀬戸内地方で生活しているとかなり身近な石です。

直方体状に割れるのは方状節理、その角が風化して少し丸みを帯びた岩塊が積み重なり、独特の景観となっています。この近辺では、瀬戸大橋を見下ろす鷲羽山や、王子ヶ岳なども似た景色。

ゲーテは、若い頃から地質や岩石鉱物に関心があり、さらにワイマール公国の顧問官となった時の最初の仕事が、鉱山の再開に関する調査だったことなどもあって、地質、岩石鉱物研究がさらに本格的になっていったようです。

ゲーテは様々な場所に出かけては、特徴のある岩塊を観察し、
岩石や鉱物のサンプルを夥しく集め、たくさんのスケッチ(専門の画家による)の目録が残されていて、感心させられます。

今の地質学では、花崗岩は最古のものとはされませんが、
シュタイナーもゲーテに言及しながら、花崗岩の山を始原岩層(Urgebirge)と呼びます。珪酸(シリカ)に富む花崗岩と、石灰(カルシウム)に富む石灰岩を対極的に捉えているのも印象的です。

  花崗岩は生成しつつある世界の、われわれに知られている最初の形成物である。
  それらを敬虔なまなざしで眺める人は、卑劣な考えから確実に守られている。
             
     ゲーテ/木村直司訳『地質学論集(ちくま学芸文庫)                           より

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花崗岩の主成分鉱物は、石英、長石、雲母。
石英(英quartz 独Quarz)はシリカつまり珪(けい)酸(二酸化珪素 SiO2)が結晶してできた鉱物。とくに無色透明なものが水晶と呼ばれる。
深成岩では、シリカ/珪酸をもっとも多く含むのが花崗岩で、次いで閃緑岩、斑糲(はんれい)岩の順。
珪酸が多いと白っぽい色合いとなり、珪酸が少なく鉄やマグネシウム(苦鉄質)が多いと黒っぽい色合いとなる。