note11:周縁全体から作用する反空間を体験する能力を培うこと

<ジョージ・アダムス 『エーテル空間』からの引用>

 太陽的的ーエーテル的な力の作用を理解するためには、物質空間に対して対極的な相
にある空間、一種の反空間を体験する能力を培っていかなければならない(…)。そこ
には数学的理念形成や自然科学的認識へ向けられた多くの課題があるのです。私たち今
日の人間は身近に見られる自然現象をさえ(…)正しく認識していません。なぜならそ
れらは私たちの物質的な空間表象には馴染みのない、いわばその反対の方向性を持つ“反
空間”のなかで生じているものだからです。
 ルドルフ・シュタイナーは精神科学的自然認識に関するさまざまな基本的講演のなか
でもすでに、物質空間に対してまさに正反対に作用するエーテル空間について語ってい
ます。
 物質空間はつねに、相対的な中心点から発するものとして体験されます。(…)その
ような力を、私たちは“中心諸力”と呼ぶことができるでしょう。
 しかし、ルドルフ・シュタイナーは、この中心諸力と反対の作用を及ぼすものとして
の周辺諸力、いわゆる“宇宙諸力”について語っています。この力はつねに“周縁”から働き
かけています。それは物質世界のアナロジーから容易に連想されるような、周縁の一点
からではなく ー 物質空間に見られるものに対して正反対の質を持つものとしての 
ー 周縁全体から作用しています。
(P.30-31)

<note11>

◎太陽的ーエーテル的な空間は、地上的ー物質的な空間と対極にある一種の「反空間」である。
◎数学的理念形成や自然科学的認識には、その反空間を体験する能力を培う課題がある。
◎私たちは、地上的ー物質的な空間認識と対極にあるがゆえに、
身近な自然現象さえ正しく認識することができないでいる。
◎私たちは多くの場合、地上的ー物質的な空間認識がすべてであると認識しているから、
太陽的ーエーテル的な空間である「反空間」が認識できないという以前に、
その問題そのものに気づけないでいるというのが実際のところなのだろう。
◎物質空間は、「相対的な中心点から発するもの」、つまり「中心的諸力」として体験されるが、
それと対極にある太陽的ーエーテル的な空間は、
その「中心的諸力」と反対の作用を及ぼすもの」としての「宇宙諸力」として体験される。
その「宇宙諸力」は、つねに「周縁」から働きかけている。
◎その際、それを「物質世界のアナロジー」として理解しないようにしなければならない。
物質的にイメージしてしまうと、周縁のどこかの一点からとかいうイメージでとらえてしまいがちだが、
あくまでも「物質空間に見られるものに対して正反対の質を持つもの」として
「周縁全体から」働きかけているのである。
◎通常の物質空間に対するエーテル的な「反空間」は通常の対象を見るようには理解できない。
その意味で、非ユークリッド幾何学などの数学的理念が重要になってくるのだろう。