間奏あるいは幕間狂言 

1) 導入として:後ろの正面
2)大と小のイメージ変換
3)外と内のイメージ変換
4)物資空間と反空間としてのエーテル空間の関係

1) 導入として:後ろの正面

かごめ歌というのがある。
地方によっていろんな歌詞のバリエーションがあるが、おおまかにこんな感じ。
「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」
この「後ろの正面」というのはふつうは意識しにくい。
正面は正面であって、それが後ろだということにはならないからだ。
でも、「後ろの正面だあれ?」なのだ。

私たちは「前」というと自分の顔のずーっと正面であって、
その先をずっと行けば宇宙の果てに行き着くようにイメージしがちである。
しかし、私たちのいる空間を球の表面であるとしよう。
そうすると、「直線」というイメージにとらわれさえしなければ、
自分の「前」をずっといけば、自分の「後ろ」になる。
ということになると、「「後ろの正面」はまさに、自分になる。
宇宙の果てまでいくと、自分に出会えるというわけである。
まず、そんなイメージをもってみよう。

2)大と小のイメージ変換

次に、大きいと小さいをイメージ変換してみることにする。
小さな点があるとして、それが豆粒へ、ピンポン球へ、野球のボールへ、サッカーボールへ・・・
というようにどんどん大きくなっていくことをイメージする。
そして、それが宇宙の大きさまで無限に大きくなっていく。

その無限に大きくなっていくというイメージを
先の「後ろの正面」に重ねてみることにしよう。
点から無限の宇宙までずっと拡大していくという方向性を
前に進むと後ろから帰ってくるということに重ねてみると、
無限に拡大していったものが今度は点になる。
もっとも小さいものがもっとも大きいものに、もっとも大きいものがもっとも小さいものに。
そんなイメージをもってみよう。

3)外と内のイメージ変換

これも、先の大小のイメージ変換の要領でやってみよう。
これはたんに大きさではなく、ボールを裏返すイメージが必要になる。

先の「後ろの正面」を外に向かったものが、
今度は内側から帰ってくるというイメージでとらえてみる。
大宇宙に向かう視線を内宇宙に反転させるのである。
逆に内宇宙へ向かう視線を今度は外宇宙へと反転させる。
マクロコスモスとミクロコスモスの照応というイメージもでてくる。
占星術で外なる星たちが「占い(裏綯い)」として私たちの魂空間を読み取るというのも
この外と内のシンボリックな変換ということでもある。

4)物資空間と反空間としてのエーテル空間の関係

物資空間と反空間としてのエーテル空間の関係をイメージするときには、
上記のように大と小、外と内のイメージ変換がキーとなる。

球が宇宙大に拡がって天空周縁になったものが球の中心点になり、
エーテル空間的な線は、物質的な点になる。
物質的には小→大という方向づけだったものが、
エーテル空間では、大→小となる。
物質的には内→外へという方向づけだったものが、
エーテル空間では、外→内となる。
それが、物質空間とエーテル空間としての虚空間(反空間)との関係になる。

以上のようなことが簡単にイメージできるようになれば、
この『エーテル空間』を理解するのはそんなにむずかしくはなくなる。
むしろ、とてもシンプルに理解することもできるのでは、と思う。