アルス・スブティリオル
《フィリポクトゥス・デ・カゼルタ》

2013.7.11

「En Attendant」

今日の音楽は、アルス・スブティリオルの典型とでもいえる音楽を残している、
フィリポクトゥス・デ・カゼルタ(Philipoctus de Caserta/ 1370-1410)

Chantilly 写本や Modena 写本に8曲のフランス語の世俗歌曲を残している。 音楽理論家としても活躍している。
Philipoctus が1365年頃に書いた論文 Tractus de diversis figuris (様々なフィグラに関する論考)のなかに
次のような一節があるとのこと。
「今やわれわれは、巨匠たちによって放棄された諸原理を理解しており、
研究することでさらに緻密な(Subtilis)手法に達した。
その結果、前の世代の人たちによって不完全なものとして置き去りにされた技法が、
われわれの世代の作曲家たちの手で改良されることになるのである。」

なお、Subtilis という語は、この一節から、音楽学者ウルスラ・ギュンターが、
この時代の音楽様式を Ars Subtilior と名付けたところからきている。

それでは、バラードの「En Attendant」。
演奏は、la Fonte Musica。
http://www.youtube.com/watch?v=QkvMSCz5AYc