アルス・スブティリオル
《ソラージュ》

2013.6.30

「Fumeux Fume」
「En l'amoureux Vergier」
「Le basile」

今日の音楽は、アルス・スブティリオル楽派で、南フランスの作曲家、ソラージュ(Solage 14世紀末に活躍、おそらく1403年以降没)。
作品は、アルス・スブティリオルの一次資料とされる『シャンティー写本』に収録されている。

前回に続いて、アルス・スブティリオルについて少し。この呼称は20世紀になって付けられたもの。14世紀末にアヴィニョン教皇庁を中心に花開いた、退廃的な気味のある楽派を指して名づけられている。

ソラージュの生涯については、作品中の歌詞から推察されるだけで、ほとんどわかっていない。フランス宮廷とかかわりのある人物であったらしい。多くの作品が1380年代や1390年代の音楽の典型。

今回ご紹介する曲は実験的な作風のもので、風変わりなロンドー《燻った男が喫煙する(煙を燻べる者) Fumeux fume par fumee》。低音同士を重ねて段々と半音階的に動くため、声楽家はすっかり当惑してしまうほどだという。
また、「ソラージュ」というのは、ギヨーム・ド・マショーの甥っ子も所属した「愛煙家団体」と呼ばれたグループを諷刺しているとのこと。「煙」とは、諸説あるもののおそらくは大麻か阿片のこと。

それでは、「Fumeux Fume」。
演奏は、 Alla Francesca。
http://www.youtube.com/watch?v=qJrclYubteg

続いて、「En l'amoureux Vergier」。
演奏は、Gothic Voices。
http://www.youtube.com/watch?v=USkRi7I1pbk

そして、「Le basile」。
演奏は、Gothic Voices。
http://www.youtube.com/watch?v=ZH2MVgUTIUY