アルス・スブティリオル
《ジャコブ・ド・サンレーシュ》

2013.6.29

「旋律ゆたかなハープを(La Harpe de melodie)」
「En attendant」

今日の音楽は、中世のフランス系フランドル人の作曲家、アルス・スブティリオルの様式の作曲家の一人でハープ奏者のジャコブ・ド・サンレーシュ(Jacob de Senlechess/活動:1382年/1383年 - 1395年)。

「アルス・スブティリオル(Ars subtilior)」は、14世紀末から15世紀初頭のフランスや北イタリアの非常に複雑で技巧的な音楽様9で、先鋭的な後期アルス・ノーヴァの「より繊細な技法」を意味しています。しかしこのアルス・スブティリオルの音楽は、ルネサンス音楽に直接継承されることはなかったようです。

現代に伝えられているサンレーシュの作品は少ないものの、アルス・スブティリオルを代表する作曲家の一人と見なされ、主に当時のリズムの可能性を発展させたことで知られている。
1382年、カスティーリャ王妃レオノール・デ・アラゴンの宮廷でおそらくレオノールに仕えていたと思われるが、その後、アラゴンの枢機卿ペドロ・デ・ルナ(後のアヴィニョン法王ベネディクトゥス13世)にハープ奏者として仕えている。

それでは、ヴィルレー(virelai/「回転する・させる」という意味。中世フランスの詩形ならびに音楽形式。ロンドーやバラードとともに、「三大定型詩」の一つ)の「旋律ゆたかなハープを(La Harpe de melodie)」。楽譜はハープの絵の中に書かれていて、譜線をハープの弦に見立てている(映像がそれ)。
演奏は、Ferrara Ensemble。

歌詞の最初は以下の通り。

La Harpe de melodie,
Faite sanz merancholie
Par plaisir,
Doit bien chescun resjoïr
Pour l'armonie
Oïr sonner et veïr.

http://www.youtube.com/watch?v=9RBtL_-VpWs

続いて、「En attendant」。
演奏は、Scott Reiss, Tina Chancey and Grant Herreid。
http://www.youtube.com/watch?v=_S8BZ18X_nw