トレチェント音楽2:ダ・カッシャ&ピエロ

2013.5.12

ジョヴァンニ・ダ・カッシャ&マギステル・ピエロ

今日の音楽は、昨日ご紹介したヤコポ・ダ・ボローニャの同時代に活躍したトレチェント音楽の初期の音楽家、
ジョヴァンニ・ダ・カッシャとマギステル・ピエロを
。ヤコポ・ダ・ボローニャも含め、3人ともミラノの僭主ルキーノ・ヴィスコンティの宮廷で活動した。

まず、ジョヴァンニ・ダ・カッシャ(Giovanni da Cascia, 活動時期:1340年頃 - 1350年頃)。
1350年頃、ヴェローナのスカラ家のマスティーノ2世の宮廷において、
ヤコポ・ダ・ボローニャと音楽を競い合ったという記録がある。
別称に、フィレンツェとの関係のある、ジョヴァンニ・ダ・フィレンツェ(Giovanni da Firenze)、
ヨハンネス・デ・フロレンティア( Johannes de Florentia)などがあるが、
出身は現在のイタリア中央部ウンブリア州の町カッシャ(Cascia)らしい。
残されている作品は、18曲のマドリガーレ(この内2曲がカノン)、
1曲のカッチャがスクアルチャルーピ写本(Squarcialupi Codex)、
パンチャティーキ写本(Panciatichi 26)、ロッシ写本(Rossi 215)、レイナ写本(Reina Codex)等である。

「Quand' amor」。
http://www.youtube.com/watch?v=iRpaGuQ28NA

「Appress' un fiume (23/25) {madrigal}」
http://www.youtube.com/watch?v=ajYyTB4urWw

続いて、、マギステル・ピエーロ(Magister Piero(ピエーロ師)、活動時期:1330年頃 - 1350年頃)。

「Magister(師)」という呼称があるので、学者であったか、単なる敬称であったかはわからない。
ご紹介したトレチェント音楽初期の3人を描いている写本の肖像画があって、
そのなかでは一番年長者に描かれていて、作品も他の2人より初期の形態である。
残されている作品は、6曲のマドリガーレ(そのうち2曲がカノン)、
2曲のカッチャ、幾つかの断片がパンチャティーキ写本(Panciatichi 26)とロッシ写本(Rossi 215)に残されている。

「Or qua compagni (caccia)」
演奏は、Ensemlbe Alla Francesca。
http://www.youtube.com/watch?v=kQb5XSPhoxo

「Con Dolce Brama」
http://www.youtube.com/watch?v=qbv4dsPqvGU