ジャケス・デ・ヴェルト

2013.4.21

「Sorgi e rischiara」
「Voglia mi vien」

今日の音楽は、後期ルネサンス音楽の前衛的作曲家の一人で、
イタリアで活躍したフランドル楽派の作曲家、とりわけマドリガーレの発展に貢献した、
ジャケス・デ・ヴェルト(Giaches de Wert, 1535年頃アントウェルペン近郊のヴェールト(Weert)~
1596年 5月6日 マントヴァ*名前の表記に関して、本人は、WertではなくVuertと記している)。

すでにここでご紹介している二人、チプリアーノ・デ・ローレと
クラウディオ・モンテヴェルディの間に位置する世代の代表的な作曲家。
モンテヴェルディもマントヴァ時代にヴェルトの許で演奏家として勤めたときに影響を受けている。
また、230曲のマドリガーレと世俗音楽のほか、熟練した対位法による150曲以上の宗教曲(モテットや聖歌など)を遺している。
ナポリのマリア・ディ・カルドナ礼拝堂の聖歌隊で歌ったのち、
フェラーラのエステ家の宮廷でチプリアーノ・デ・ローレに師事した(1550年頃~1555年)。
その後、ノヴェッラーラ、マントヴァ、パルマの宮廷音楽家を歴任。
1565年にマントヴァのゴンザーガ家の宮廷に仕え、サンタ・バルバラ礼拝堂の聖歌隊長に就任、
最晩年(1592年)までその地位にあった。
私生活は波乱続きで、妻は病弱の彼を見捨てて貴族に走り(その後、政治的陰謀に加担し処刑)、
フェラーラ宮廷歌手のタルクィニーア・モルツァとの恋愛は悲劇的な幕切れとなっていたりもする。

それでは、超絶的に美しい5声のマドリガーレ(マドリガル)「Sorgi e rischiara」を。
「前衛的作曲家」といわれるのがなんとなくよくわかる。
演奏は、Ensemble "Basiliensis"/Kate Macoboy (soprano), Yulia Mikkonen (alto),
Paul Bentley (tenor), Adrian Horsewood (baritone), Anton Tutnov (bass)。

http://www.youtube.com/watch?v=JDyKMEN9YY8

続いて、「Voglia mi vien」。
声ではなくブラスで演奏されているマドリガーレ(マドリガル)。
短いですけど、聴き応えがあります。
演奏は、Gaudete Brass Quintet。

http://www.youtube.com/watch?v=bQnttcIq_Ug