ビーバー

2013.2.21

「ロザリオ・ソナタ1番 受胎告知」
「ミステリーソナタ第1番」
「技巧的で楽しい合奏-パルティータ第1番ニ短調」

今日の音楽は、17世紀に活躍したボヘミアの作曲家で(かなりマニアックな)ヴァイオリニスト、
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(Heinrich Ignaz Franz von Biber/1644.8.12受洗 - 1704.5.3)。

オーストリアの作曲家でヴァイオリニスト。
北ボヘミア・ヴァルテンベルク(現チェコ領ストラーシュ・ポド・ラルスケム)でドイツ系の家庭に生まれる。
1668年から1670年、チェコのクロムニェジーシュ城のヴァイオリニスト、
そしてザルツブルクの宮廷楽団のヴァイオリニストとなり、1684年には、同楽団の宮廷楽長となる。
ヴァイオリンの技巧にすぐれ、高度な技術を必要とするものも多く、
「スコルダトゥーラ(変則調弦)」という調弦を変えて独自の響きで演奏する技巧を多用したことでも知られている。

それでは、敬愛する武久源造さんの演奏された映像があった!のもあって、
「ロザリオ・ソナタ1番 受胎告知( Rosary Sonata I-The Annunciation)」。
((ロザリオ・ソナタは、ドイツ語では「Die Rosenkranz-Sonaten」))
なお、ロザリオとは「薔薇(の花園)」という意味で、キリスト教では薔薇は聖母マリアの象徴。
演奏は、桐山建志(バロック・ヴァイオリン)、武久源造(ポジティフオルガン&ペダルチェンバロ )。
使用された楽器は、ポジティフオルガン(中西光彦製作)、ペダルチェンバロ (フィリップ・タイアー製作)。
録画日は、2011年5月3日、録画会場は佐保山茶論。

http://www.youtube.com/watch?v=A4RBGzMUsfg

続いて、ハインリッヒ・ビーバーの「ミステリーソナタ第1番(Mystery Sonata No. 1 )」を。
この「ミステリーソナタ」は、15曲のソナタと題された通奏低音を伴ったヴァイオリン独奏曲と、
最後に無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカリア1曲で構成されている。
パッサカリアを除いたソナタには、各々曲の前に版画一枚一枚ついていて、
聖母マリアの生涯(受胎告知〜キリストの受難・復活、そして戴冠まで)が15の場面に分かれて描かれていたという。
演奏は、Prague Baroque Soloists
(Gabriela Eibenova - soprano/Heidi Gröger - viola da gamba/Florian Deuter - violin/
Jan Cizmar - teorbo, lute/Adam Viktora - conductor, organ)。

http://www.youtube.com/watch?v=H2mlRkR3Z7M

そして、少し長めですが、「技巧的で楽しい合奏-パルティータ第1番ニ短調
(Harmonia artificioso-ariosa/Partia I in D minor for two violins and basso continuo)」。
「スコルダトゥーラ」を自在に駆使して演奏される、基本的に2つのヴァイオリンと通奏低音のための組曲集。

指揮は、Reinhard Goebel。演奏は、Musica Antiqua Köln/Stephan Schardt, Reinhard Goebel (violins),
Klaus-Dieter Brandt (violoncello),Léon Berben (harpsichord)。

http://www.youtube.com/watch?v=AWb5-llJJlU