フランソワ・クープラン

2013.1.21

「Les Ombres Errantes(さまよう亡霊たち)」
「クラヴサン曲集 第4巻 第21組曲」
「クープランの墓」III.フォルラーヌ

今日の音楽は、昨日のジャン=フィリップ・ラモーに続いて、
フランス系のバロック音楽から、フランソワ・クープラン(François Couperin/1668.11.10-1733.9.11)の音楽を。
フランソワ・クープランは、ラモーと並ぶバロック時代のフランスの作曲家。

クープランは、11歳でパリのサン・ジェルベ教会のオルガン奏者に就任し1723年まで在職。
1693年、ベルサイユ宮殿の王室礼拝堂の4人のオルガン奏者の1人に選ばれたほか、
宮廷内の演奏会ではクラブサン(チェンバロ)を演奏していた。
1713年から26年にかけては、主要な作品であるクラブサンの音楽と室内楽曲を次々に出版。
1716年には、『クラブサン奏法』を著し、バッハもこの著作を学び深く影響を受けている。
クープランのクラブサンの音楽は、舞曲やロンドー形式の小品で、繊細で多彩な装飾音を多用。
機知とイロニー、憂愁にあふれた作風を特徴とし、
室内楽曲では、コレッリに代表されるイタリア様式とリュリのフランス様式の融合を図りつつ、
優雅で洗練されたロココ様式の表現を完成したとのこと。

それでは、「Les Ombres Errantes(さまよう亡霊たち)」(クラヴサン曲集第4巻第25組曲・第4楽章)を。
クラヴサン演奏は、Margaret Fabrizio。

http://www.youtube.com/watch?v=XpHi-7BUt2s

続いて、同じ曲を現代のピアノで演奏したものを。
音楽学の岡田暁生の『西洋音楽史』に、「本来のチェンバロ(仏語でクラヴサン)のための曲であるとはいえ、
クープランやラモーは絶対にピアノで弾くべきだとすら、私は考えている」とあるが、
聴きくらべなどをしてみて、納得がいったのもあって、比較のために。
演奏は、1968年生まれのフランスのピアニスト、アレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud)。
ラモーやこのクープランの演奏でも注目されている。

http://www.youtube.com/watch?v=WZK4hImd0oA

そして、同じくアレクサンドル・タローの演奏で、
「クープラン/「クラヴサン曲集 第4巻 第21組曲」 (La Couperin 21e ordre)から」。

http://www.youtube.com/watch?v=eV2MeNDWgRA&list=AL94UKMTqg-9DXdczR2PztIR-VZvBP3L04

おまけで、現代へのクープランの影響ということで、クープランの作品ではないが、
「クープラン」の名前がついているラヴェルの「クープランの墓(Le Tombeau de Couperin)」III.フォルラーヌ(Forlane)」を。
ラヴェルは、クープランを尊敬していて、
クープランを含む18世紀の音楽全般に対する音楽としての
オマージュを書こうということで作曲されたラヴェルの最後のピアノ独奏曲。
フォルラーヌとは北イタリアを起源とする古典的舞曲。
演奏は、1950年生まれのロシアのピアニスト、グリゴリー・ソコロフ(Sokolov)。

http://www.youtube.com/watch?v=4Kx5zgfCJIE&list=PLD8A97624810E2377