ジャン=フィリップ・ラモー

2013.1.20

「ロンドー形式のジグ」(「クラヴサン曲集と運指法 第1番(第2組曲)」から)
「コンセール第3番 イ長調 2. La Timide」「コンセール第3番 イ長調」」から
「Air Pour Les Sauvages」(「優雅なインドの国々」より)

今日の音楽は、先日来、バッハがらみでドイツ系のバロックをご紹介していたので、
今日はフランス系のバロック音楽から、
ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau/1683.9.25 -1764.9.12)の音楽を。
ジャン=フィリップ・ラモーは、J.S.バッハやヘンデルと同世代の、18世紀フランスの作曲家及び音楽理論家。
ルゴーニュ地方のディジョンで生まれ、1701年にイタリアに留学、
1707年にパリのイエスズ教会のオルガニストになる。
1731年には、裕福な音楽愛好家ラ・ププリニエールの私設楽団の音楽監督に就任。
以後、本格的にオペラの作曲に取り組み、
50歳になった1733年に最初の本格的なオペラ(音楽悲劇)《イポリトとアリシー》が上演されるほか、
オペラの傑作をつぎつぎと発表し、オペラ作曲家としての名声を確立。
しかし、1752年にフランスとイタリアの音楽の優劣をめぐって争われた、
いわゆる『ブフォン論争』において、ジャン・ジャック・ルソーらの啓蒙主義者によって、
伝統的なフランス・オペラの代表者として攻撃されることに。
これらのオペラも、20世紀も後半になってようやく再演され、録音もされるようになっている。

さて、ラモーといえば、やはりクラヴサン曲が有名。
ルイ15世(1715-74在位)時代ののロココ趣味を反映したラモーのクラヴサン曲は、
ベルリオーズやドビュッシー、ラヴェルなどのロマン派~後期ロマン派のフランスの作曲家に高く評価され、
その作品も音楽理論も、多大な影響を与えている。
この時代のクラヴサン曲といえば、このラモーとフランソワ・クープランが浮かぶ。
その両者を比べると、ラモーが旋律よりもハーモニー(和声)を重視した、
厚みのある力強い表現を特徴としているのに対して、
クープランのクラヴサン曲のほうは旋律を重視した、洗練された装飾音のつながりであり、
ラモーを「動」とするとクープランは「静」のイメージだといえる。

さて、前置きが長くなったが、ジャン=フィリップ・ラモーの
「クラヴサン曲集と運指法 第1番(第2組曲)
Pièces de clavecin avec une mèthode sur la mècanique des doigts」から
「ロンドー形式のジグ "Gigue en rondeau"」。
演奏は、Scott Ross。

http://www.youtube.com/watch?v=fX18CvS7l9g

続いて、「コンセール用クラヴサン曲集」より、
「コンセール第3番 イ長調」Pièces de clavecin en concerts N°3 in A major(1741)」から「2. La Timide」。
演奏は、フラウト・トラヴェルソ:Serge Saïtta、ヴァイオリン:Patrick Cohën-Akenine、
ヴィオラ・ダ・ガンバ:Nima Ben David クラヴサン:Béatrice Martin。

http://www.youtube.com/watch?v=97JhkCZszq0&list=AL94UKMTqg-9BV1nnlpNw1xdK6UIIPMzS_

そして、ラモーの数多くの歌劇の中で、最も親しまれている作品
「優雅なインドの国々(Les Indes galantes/1735-36年)」より、「Air Pour Les Sauvages」。

http://www.youtube.com/watch?v=PQDrOklsY_c