プログレッシブ・ロック

2013.1.19

トレースの「鳥人王国」から「Bourree」
キャメル「スノーグース」から「ラヤダー(Rhayader)」
ゴブリン「サスペリア」
ゴブリン「サスペリア2」

今日の音楽は、懐かしのプログレッシブ・ロックを。
「プログレッシブ・ロック」(日本では「プログレ」といわれていた)というのは、
1960年代後半から70年代にかけて流行した特殊なスタイルのロックのことだと理解している。
日本で「プログレッシブ・ロック」という言葉がはじめて使われたのは、
1970年のピンク・フロイドのアルバム『原子心母/Atom Heart Mother』の紹介コピーにあった
「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!」らしい。
個人的にプログレとして印象に残っているのは、
キング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿/In The Court Of The Crimson King』だったりするが、
おそらくプログレ好きの多くもそうなのではないだろうか。

有名なものや記憶にのこっているところでは、上記のほか、
イギリスではイエス、アラン・パーソンズ・プロジェクト、エイジア、
EL&P、ジェネシス、ムーディー・ブルース、
イタリアではアレア、オザンナ、ゴブリン、ニュートロルス、
ドイツではタンジェリン・ドリーム、ノヴァリス、視初期のクラフトワーク、
サテン・ホエール(このバンドは、あまり知名度は高くないかもしれないけど、わりと面白かった)
フランスではアトール、ピュルサー、オランダではトレース、ギリシアではヴァンゲリス、
日本でもAin Sophとかいうのもいたなあという感じ。
70年代後半には世界のプログレシリーズのLPとかでていて、けっこう物色していたことがある。

あらためてプログレって何だろうと思ったので調べてみると、こんな特徴があるらしい。
コンセプトアルバムとして制作される傾向がある。従って、長時間の曲が多い。
インストゥルメンタル系のものも多い。芸術性なるものを全面に出したりもする。
クラシックやジャズなどとクロスオーヴァーを試みるものも多い。
シンセなど、当時の最新テクノロジーを駆使したりする。・・・といったところらしい。

何をご紹介するか迷ってしまうのだけれど、やはりぼく自身の記憶によく残っているものから、
まずはオランダのプログレッシヴ・ロック・グループ「トレース(TRACE)」の「鳥人王国(Birds)」から、
アルバムの最初の「Bourree」を。
「トレース」は、1974年、EKSEPTION を脱退したリック・ファン・デル・リンデンが
洗練されたクラシカル・ロックを目指して結成した、バロック/古典音楽調のキーボード・ロックという感じ。
「鳥人王国」は1975年発表の第二作。
この曲は、昨日ご紹介したリック・ウェイクマンの音楽もそうだったけれど、
学生時代に関わった劇団のミュージカルの音楽に使ったことでよく覚えている。
ちなみに、芝居は辻邦生の『ポセイドン仮面祭』。

http://www.youtube.com/watch?v=ExafsYwYTIY

続いて、「キャメル(Camel)」の名作アルバム
「The Snow Goose(スノーグース/白雁」(1975)から、「ラヤダー(Rhayader)」。
「キャメル 」は、1973年にデビューしたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンド。
叙情派のサウンドで知られる。叙情派はともすれば冗長で退屈になるが(実際そうなってしまった)、
この第3作目のアルバム「The Snow Goose」は、よくできている。
ポール・ギャリコの短編小説「スノーグース」を基にしたコンセプト・アルバムになっている。
第二次世界大戦の中、古い灯台(グレート・マーシュ)が舞台になったストーリー。
醜い絵描きで孤独な青年(ラヤダー)と怪我をした渡り鳥を連れてきた
少女(フリーザ)の心の交流を描いた寓話的な恋愛物語。
その主人公「ラヤダー」をタイトルにした曲がこれ。

http://www.youtube.com/watch?v=L7esW6StGSI&list=AL94UKMTqg-9Amzgl2ekLLfMrcua0Z3B9k

そして、ちょっと雰囲気を変えて、
音楽として有名どころから意外な線で、「ゴブリン」の「サスペリア」(1977)。
ダリオ・アルジェント監督のホラー 映画「サスペリア」のサウンド・トラック。
ゴブリンの恐怖の音楽が音響立体移動装置(サーカム・サウンド・システム)で増幅され話題になった。
今はもうコワイ映画は生理的にダメで決してみないようにしているけれど、
この音楽はいま聴いてもなかなかスゴイ。なんか、コワイもの見たさ、いやコワイもの聴きたさで。
「ゴブリン」は、イタリアで1974年に誕生したCHERRY FIVEから発展し結成された元ロックバンドで、
現在はサウンド製作プロジェクトとなっている。

http://www.youtube.com/watch?v=pins1y0XAa0

ついでに、懐かしいので同じくゴブリンの「サスペリア2」。
こっちのほうが、イタリアっぽいキレがあるか。
これは1978年公開のPART2となっているが、実際は「サスペリア」の前につくられていた作品とのこと。
日本公開時のキャッチフレーズは「約束です!決してひとりでは見ないでください」。

http://www.youtube.com/watch?v=_JpuislFVzU