ものまね:古川緑波(ロッパ)・桜井長一郎・荒牧陽子

2012.12.24

ものまね
古川緑波(ロッパ)
桜井長一郎
荒牧陽子

今日の音楽・音の世界は、クリスマス・イブを無視して、ものまねで。
ぼくは小さい頃から、ものまねの演芸がとても好きで、
先代の江戸屋猫八の動物の鳴きまねや桜井長一郎の声帯模写などよく記憶に残っている。
比較的最近では、コロッケ・清水アキラ・栗田貫一・ビジーフォーの
ものまね四天王など楽しんで見ていたが、
最近はあまりテレビを見なくなっているのもあって、あまり聴かなくなっているが、
いまでもときどき、今のものまねはどうなんだろうと気になって見てみたりすることもある。

さて、このものまねというのは、人が鳥や獣を真似るように、
ある意味で人間のもっとも古い芸能でもある。
ある意味で、「猿楽」という能の前身でもある芸能も、
おそらくは「猿まね」というところから名づけられたのかもしれない。
江戸時代には歌舞伎役者の舞台上の姿を真似た
「声色遣い(こわいろづかい)」などがあり、
その後後広く、「声帯模写」や「ものまね」が登場してくることになる。

「声帯模写」という名前をつけたのは、古川緑波だそうだ。
それ以降、いろんな人たちがものまねを展開している。
そうしたものまねの歴史を紹介してみたいと思ったのだけれど、
ごく最近のものはYouTubeでもいろいろ見つけられるのだけれど、
それ以外はおもいのほか音源が少ないのが残念だ。

それでは、YouTubeで聴けるかなり古い歴史的音源から、
「 古川緑波(ロッパ)」の声帯模写を。
とはいえ、真似されるものの多くを知らないので
似ているのか似ていないのかわからないのが残念だ。
このレコードは、昭和19年5月に二ッチク(コロムビア)から発売されたもの。
戦時中でも物真似がレコードででているというのは、内容はともかくとして興味深い。
内容は、やはり戦時中を反映していて、
サトウハチロー構成「演芸組曲」によるこんな内容。
(声帯模写「海軍」小杉勇[飛田中佐] 「宮本武蔵」徳川夢声 「愛馬進軍歌」藤山一郎 藤原義江 榎本健一)

http://www.youtube.com/watch?v=jGOylXSb490

続いて、少し時代は降って、ぼくも記憶に残っている頃の桜井長一郎の声帯模写を。
ネタは忠臣蔵。
とはいえ、これも元ネタの多くがよくわからなかったりするのだけれど。

http://www.youtube.com/watch?v=lJ1cHg4VLpU

さて、ここでず~っと時代を飛ばして、最近ではいちばんのサプライズだったものまねネタを。
今は、声を痛めて休養中だけれど、昨年(2011年)突然のように登場して
いきなりのように「ものまね女王」になってしまった荒牧陽子のものまね。
この荒牧陽子は、いまぼくの住んでいる岡山市の出身だそうだ。
知っている人には説明は不要だけれど、
まだの方は聞き始めると自分の耳を疑ってしまうほどだ。
本人の歌声のCDと交互に歌っている。ちょっとスゴイ。

http://www.youtube.com/watch?v=yUtlRc5-fbY

しつこく、おまけで、ものまね好きな人に、
元ネタの本人の歌っている映像にものまねの声を合成したもの。
目が点になってしまう・・・、いや耳をほんとうに疑ってしまう。
21人分あって、長めですけど、好きな人には飽きないと思います。
ついつい次を聴きたくなってしまう。

http://www.youtube.com/watch?v=QAaguqJLMnM