子守歌「ブラームスの子守歌」「竹田の子守唄」「子守歌」

2012.12.15

子守歌
「ブラームスの子守歌」
「竹田の子守唄」
「子守歌」(作詞:野上彰 作曲:団伊玖磨)

今日の音楽は、子守歌を。
子守歌は、子供を寝かしつけたりあやしたりするときに歌われる歌で、
ララバイ、揺籃歌(ようらんか)といわれることもある。
その歌の性質上、ゆっくりしたリズムなのが特徴。

クラシックでも、シューベルト、ブラームス、
ベルナルト・フリース(まちがって「モーツァルトの子守歌」とされたりしている)
などがあるが、
日本でも「ねんねんころりよ」で始まる「江戸子守唄」、
「ねんねこしゃっしゃりませ」で始まる「中国地方の子守唄」のほか、
「竹田の子守唄」、「五木の子守唄」、「島原の子守唄」などがあるが、
そのなかには親が子供に歌うのではなく、幼くして故郷を離れた子守り娘が歌うなど、
暗い現実を背景としてあったものもある。

それでは、アンネ・ソフィー・オッターの歌でブラームスの子守歌(Op.49,No.4)で、
朝目覚めたばかりかもしれませんが、土曜日なので心穏やかに。
このオッターのブラームスの子守歌は、
吉田秀和さんが『永遠の故郷』でもとりあげていた。
吉田秀和さんもこのオッターの声が好きだったようです。
吉田秀和さんの『永遠の故郷/夜』から少し。
「ブラームスという人は、複雑で知的な構造の音楽の大建造物を立ち上げる力量を
具えた大音楽家であると同時に、《子守唄》のような民謡風の
 ー つまりは「大地の香り」をたっぷり含んだ音楽を自然の源泉から
じかに汲み上げてきたような曲を書く力を、
いや、そうしないではいられない天与の素質を持った人だった」

http://www.youtube.com/watch?v=JONHWjs78UY

そして、中学生の頃シングルレコードを買ったこともある、赤い鳥『竹田の子守唄』を。
この歌はなぜか放送禁止になってしまって、「赤い鳥」の解散の原因にもなったらしく
(「赤い鳥」は、1969年に結成、1974年解散。
「赤い鳥」という名前は鈴木三重吉主宰の児童雑誌から。
解散後は、「紙ふうせん」、「ハイ・ファイ・セット」、
「ハミング・バード」に分かれて活動)
その後、、その当時差別などについていろんなことを考える材料にもなった。
この時代、放送禁止になったいろんなフォークソングなどがあったのを思い出す。
マスメディアの言葉に対するいろんな姿勢について、
このとき以来ずいぶん意識するようになった。
マスメディアの報道をそのままうのみにしてはいけないと。
メディア・リテラシーの必要性ということでもある。

http://www.youtube.com/watch?v=87cEBD5t_5A

『竹田の子守唄』に関するいろいろな事情に関しては、以下のページが参考になる。
(講演「竹田の子守唄 名曲に隠された真実」/藤田正@高野山)

http://www.beats21.com/ar/A04021902.html

そして、これは伝統的に継承されてきた子守歌ではないけれど、
個人的に大好きな、作詞:野上彰 作曲:団伊玖磨(昭和26年)の
「むかしむかしよ北のはて」ではじまる「子守歌」を。少し長いですが、
いいストーリーとメロディーで、曲の終わりにはおもわずにっこりしてしまいます。
作詞の野上彰は五人の子供がいるが、
出生した時それぞれ「子守歌」を作ったそうだ。
この子守歌は、長男(草)が生まれたときのもの。
NHK「婦人の時間」の依頼で、昭和26年に作曲、
ソプラノ栗本尊子が歌ったのが最初だそうだ。
個人的には、波多野睦美や米良美一などのものをご紹介したかったのだけれど、
YouTubeにはこの音源があったのでそれを。「有山麻衣子 幻のコンサート」より。

http://www.youtube.com/watch?v=A4ECiSctDMU