都々逸「三千世界」

2012.12.13

都々逸
「三千世界」
美空ひばり+古賀政男
栄芝×近藤等則『The 吉原』

今日は、木曜日という週のなかばの峠なので、洒落で乗り切ろうということで、
遊び感覚のあるちょっと粋な世界、「都々逸(どどいつ)」を。

都々逸は、江戸末期に初代の都々逸坊扇歌(1804年-1852年)よる定型詩で、
七・七・七・五の形式となっているが、
ときに五字冠りと呼ばれる五・七・七・七・五となることもある。
本来は、三味線の伴奏で歌われ、音曲師が寄席や座敷などで演じていた。
テーマは、多くが男女の「情け」、つまり惚れたはれた(^^)(^^)。

そのなかでも、高杉晋作が後に愛妾となる「うの」という遊女に向けて、
遊郭で、三味線片手に即興で歌った戯れ歌だといわれている「三千世界」
「三千世界の烏を殺し 主と朝寝がしてみたい」を。
「おまえとずっといっしょにいたい。
もうわけのわかんない世の中の面倒くさいこと(尊皇だの攘夷だの)なんか、
どうでもいいから」・・・
とかいう意味合いなるけれど、粋だなあと思う。
世の中、実際はそういうわけにもいかないのだけれど、
最近の世の中、ファナティックな空気が強いので、
そういうのを気持ちだけではどうでもいいなあと思いたい。
この都々逸は、現在でも、萩の民謡「男なら」、「ヨイショコショ節」の歌詞として唄われているそうだ。
しかし、高杉晋作、あまりにも粋です。
半分だけ残したという辞世の句「面白きこともなき世を面白く・・・」も、言い得て妙。

http://www.youtube.com/watch?v=zmBsCW07gAY

続いて、美空ひばりのうたと古賀政男の三味線による都々逸を見つけたので、
お楽しみください。
なかなかいい雰囲気でてます。

http://www.youtube.com/watch?v=6shhlj-j1No

そして、ほんとうにおまけなので、なんだこりゃと思われた方はすみません。
あくまでもぼくの趣味です。
思いがけないもののコラボということで、
ぼくの愛聴盤の、江戸開府400年の2003年にリリースされた、
異色のコラボレーション・アルバム
栄芝×近藤等則『The 吉原』のライブ映像があったので
(CDのほうがずっとヌケが強くて好きなのだけれど、残念ながらそのデータはなし)。
これは都々逸というよりは小唄・端唄だけれど。
ちなみに、近藤等則はジャズトランペッター、栄芝は端唄の栄芝流家元。

http://www.youtube.com/watch?v=Ez__4Vn99FU