中村明一「密息」「倍音」「鶴の巣籠」

2012.12.12

中村明一「密息」「倍音」
クツィ・エルグネル(Kudsi Erguner)「Hiroshima」
「鶴の巣籠」
ホーミー・ライブ演奏

今日の音楽は、12月8日付の松岡正剛・千夜千冊(1492夜)が、
中村明一『倍音/音・ことば・身体の文化誌』春秋社 2010で、
これはぼくも大変参考にしている本だったので、その関係で、
中村明一の尺八演奏とそれに関係する「密息」「倍音」のテーマについてなど。

中村明一は、尺八演奏家。横山勝也師のほか、
多数の虚無僧尺八家に尺八を師事するとともに、
NHK邦楽技能者育成会卒業後、米国バークリー音楽大学にて作曲とジャズ理論を学び、
さらに米国ニューイングランド音楽院大学院修士課程作曲科
およびサード・ストリーム科でも学ぶ・・・
というとてもユニークな経歴を持つ。

ライフワークは「虚無僧に伝わる尺八古典曲の採集・分析・演奏」だそうで、
ロック、ジャズ、現代音楽、即興演奏、コラボレイション等、多彩に活躍している方。
有名なアルバムに「虚無僧尺八の世界 薩慈」
「虚無僧尺八の世界 北陸の尺八 三谷」などがあるほか、
千夜千冊でとりあげられた『倍音/音・ことば・身体の文化誌』や
「日本文化の鍵は「呼吸」にあり! ということで
独特な呼吸法についての「密息」という著作があり、啓発される。

その「密息」というのは、吹きながら同時に息を吸い、
息継ぎなしに吹き続ける技術(循環呼吸法)であり、
それを自在に操って尺八を演奏する。
ということで、その尺八演奏を先日ご紹介した土取利行などとのアンサンブルで、
クツィ・エルグネル(Kudsi Erguner)の「Hiroshima」を。

http://www.youtube.com/watch?v=sVX_vfJaeyw

なお、この中村明一の密息などについての解説が、
「はいから万歳」で紹介されているものがあったので、興味のある方はご覧ください。
はいから万歳―中村明一(1/4)
http://www.youtube.com/watch?v=022j021ijy4
はいから万歳―中村明一(2/4)
http://www.youtube.com/watch?v=JbWK6lba5r4
はいから万歳―中村明一(3/4)
http://www.youtube.com/watch?v=HesQzXXIIaM
はいから万歳―中村明一(4/4)
http://www.youtube.com/watch?v=lLIC4kc1MAI

密息とはどんなイメージなのかがわかる演奏もあるので、
「鶴の巣籠(つるのすごもり)」を(2008年5月18日収録)。

http://www.youtube.com/watch?v=cXWKmKm6Rz4

続いて、もうひとつのテーマ「倍音」について。
先にご紹介した松岡正剛・千夜千冊(1492夜)の
中村明一『倍音/音・ことば・身体の文化誌』は、
モンゴルの「ホーミー」やオーストラリアの「ディジヤリドゥ」、
インドの「シタール」からブルガリアの「ブルガリアンヴォイス」まで、
不思議な音「倍音」の秘密を解き明かしている名著。
その倍音の典型でもあるモンゴルの「ホーミー」を楽しめる
ライブ演奏(アンサンブル)があるので、それを。

http://www.youtube.com/watch?v=ZbxGP6fBma8

なお、「倍音の秘密とは 」という宮崎 哲弥が司会した
番組のデータ(50分あります)もあったのでご参考まで。

http://www.youtube.com/watch?v=0jmj-GcGz2A