「クルト・ワイル&ベルトルト・ブレヒト」『三文オペラ』『七つの大罪』

2012.11.21

■「クルト・ワイル&ベルトルト・ブレヒト」『三文オペラ』『七つの大罪』

今日の音楽は、クルト・ワイル&ベルトルト・ブレヒトの『三文オペラ』から、
有名な「マック・ザ・ナイフ」を、ブレヒトの歌で。

先日、想田和弘監督の映画『演劇1』『演劇2』のなかで、
平田オリザの「アゴラ劇場」の事務所に「まず食うこと、それから道徳。」
(ブレヒト『三文オペラ』)
という額が掲げてあるのが何度も映されていた。
「衣食足りて礼節を知る」というような意味だけれど、
それよりもずっと切実な戦いのようなニュアンスがあって共感するところがある。
別に「道徳」はどうでもいいというわけではなくて、
「道徳」的な部分をあまりきれいごとにしないというほうがいい。
自分がさまざまにしばられているものにどれだけ自覚的でいられるかというのが、
重要ポイントなのだと思う。

さて、ブレヒトの演劇は学生時代少し読んだくらいだが、
そのなかでクルト・ワイルとの作品『三文オペラ』の音楽はとても印象に残っていて、
その関係でクルト・ワイルの音楽は学生時代からおりにふれて聴く機会をもっている。

クルト・ワイル(Kurt Julian Weill1900年3月2日 - 1950年4月3日)は、ドイツの作曲家。
じぶんのコンサート用の作品を作曲をしながら、
演劇やオペラ・ミュージカルにもたくさんの作品を残している。
奥さんは、女優のロッテ・レーニャで、クルト・ワイルの作品も多く歌っている。

また、ベルトルト・ブレヒト(Bertolt Brecht, 1898年2月10日 - 1956年8月14日)は、
ドイツの劇作家、詩人、演出家で、アウクスブルク出身。
代表作に『三文オペラ』『肝っ玉お母とその子供たち』『ガリレイの生涯』などがある。
第二次大戦中はナチスの手を逃れて各国で亡命生活を送り、戦後は東ドイツで活動する。
主に、治やマルクス主義との関わりが強いのが特徴。
「叙事的演劇」を提唱し、「異化効果」を始めとするさまざまな演劇理論を生み出した。

それでは、かなり古めかしい音ではあるけれど、
ブレヒト自身の声で「Mack the Knife」(原題:Mackie Messer)を。

http://www.youtube.com/watch?v=_QXJ3OXWaOY

もう一曲、オッター(Anne Sofie von Otter)が、
クルト・ヴァイルのミュージカル作品を取り上げたアルバム「Speak Low」から、
「七つの大罪(Die sieben Todsünden)」(Brecht-Weil)のプロローグを。
指揮は、ジョン・エリオット・ガーディナー。
この『七つの大罪』も、ブレヒト台本による。
ドイツを離れる以外音楽活動を続ける道がなくなったヴァイルが、
1933年にパリへ逃れた際に作曲したもの。
このアルバム「Speak Low」、とてもいいです。

http://www.youtube.com/watch?v=b2MQCTgbW0c